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『学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇 』 感想

 

学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇 (GA文庫)

柚本 悠斗 (著), 米山 舞 (イラスト)

 

謝辞などいらん。金を払え――

 

ひねくれ者の主人公と猪突猛進少女が織り成す、悪と正義の学園ドラマ! 

 

七千人が通い、生徒の自治によって運営される白楊中央学園には華々しい実績の裏に、ある掟が存在した。

それは「校則を破らない」こと。 一見当然のこのルールは学園の特殊性から、法律のような実効力を持っている。そんな学園において唯一、法条真誠という男だけが法外な報酬と引き換えに、校則すらもねじ曲げて依頼人の問題を解決していた。
とある事情で法条に借金をしてしまった少女、花咲華織は彼の助手を務めるうちに、法条の真意と学園の不自然な構造に気づいていく。

ひねくれ者だが有能な主人公と、猪突猛進なヒロインによる、驚愕の学園逆転劇、ここにスタート!

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★★ 7/10

 

感想……の前に

作品の感想の前に一つだけ。

この『学園交渉人 法条真誠の華麗なる逆転劇』は作者の方が印税ぶち込んで色々宣伝したということでかなり話題になりました。

具体的には駅貼り広告したり、新宿アルタ前の大型ビジョンにPV流したりしたらしいです。

 

ラノベ作家さん、印税をすべて使い自腹で秋葉原や新宿、渋谷で自作品の宣伝動画を放映する模様

 

今回の宣伝活動について個人的な是非は置いておいて、CM効果としては大成功だったんじゃないでしょうか。

ぶち込んだ印税取り返せるかどうかはまでは分かりませんが、作品の認知度自体は相当上がったと思います。

ただ、一言言わせてもらうなら、

 

良い子は絶対マネすんな!!

 

いや、悪い子もマネしないで下さい、マジで!!

今回宣伝効果があったと言ったのは、別に大型ビジョンや駅貼りが効果あったんじゃなくて、印税ぶち込んだことが話題になっていろんなサイトやtwitterで取り上げられまくったからです。おそらく純粋な宣伝の効果と、その後いろんなサイトやtwitterで取り上げられたことによる宣伝効果を比較すると1:9では聞かないくらいの差があるんじゃないかと思いますね。

そして同じことをやっても、2回目以降は間違いなくほとんど話題になることなく爆死することになるでしょう。

こういうのは1発目にやって話題になるから意味があるんで、話題になったからマネするというのは愚の骨頂かと。

 

感想

いきなり感想と関係ないことを長々と書いてしましたが、ここからは純粋に作品の内容についてです。

 

内容としては金にド汚い主人公と純粋一直線なヒロインが、生徒に起こった問題の解決を依頼され、あっと驚く方法で解決していく。と言った感じです。

舞台が学園内に限定されてますが、依頼解決型の探偵ものと言った感じですかね。

 

登場人物の掛け合いが面白い

この作品を読んでまず思ったのがとにかくキャラが生き生きとしていてるなと

だから主人公とヒロイン達との掛け合いがめちゃくちゃ面白いです。

構図としてはひたすら主人公をいじりまくる主人公と、ひたすらツッコミまくるヒロインといった感じです。

このヒロインのリアクションとツッコミがかなりいい仕事してますね。

その他の主要人物も皆かなりいいキャラしてます。委員長のチョロさとか。

ただ後半は割と真面目な展開になっていくんですが、正直序盤~中盤のひたすらコミカルなシーンの方がキャラは生き生きしてたような気もします。

生徒会長だけは終始通常運転でしたが。

 

問題解決人 法条真誠

この作品のタイトルは「学園交渉人」ですが、内容としてどっちかっていうと「問題解決人」と言った方がしっくりくる気がします。

別段交渉もしてないですしね。

その問題の解決方法が中々にイカれてて面白いですね。特に1章はなんとなく予想がつきましたが、それでも笑いました……主にヒロインのリアクションに。

ただこれも後半ちょっとトーンダウンしたかなと。なんか徐々にマトモな解決方法になっていった気がします。個人的に1章みたいな頭悪い解決方法が好きというのもありますが。

あと、ラストの事件については、実は全部主人公か生徒会長の手のひらの上なのかなとか全部主人公が見透かして、ヒロインがそう行動するように仕向けたんじゃないかとか思ってたんですが、そういうわけでもなく、かなり肩透かしを食らった感があったのは残念な部分ですね。

 

正義と悪

この作品では何が「正義」で何が「悪」かという問いかけが一番のテーマになってるんですが、こういうテーマ自体が僕の大好物なんですごく良かったです。

また、主人公とヒロインのキャラクターを上手く使って描写しているなとも思いました。

純粋なヒロインは被害者の生徒に共感して味方になろうとするんですが、物事はそう単純ではなく……みたいな展開がいくつかあるんですが、この辺の描写の仕方がホント素晴らしかったです。

 

全体としてストーリーもさることながら、やっぱりキャラすごく魅力的で良かったなと。

不安なのは1巻の引き的に時間以降があるとしたら、今後シリアスに傾倒していきそうな気がするんですが、そこらへんコミカルな部分とのバランスを上手くとっていっていただきたいなと思います。とくにヒロインについては引き続きいじり倒してほしい……

 

 

 

<個人的名言・名シーン>

「始めるぞ」

 いつもより低く落ち着いたその声色に、華織が気を引き締めた瞬間だった――。

「五月女委員長!一昨日この女子生徒から取り上げたBL漫画を返してやって頂きたい!」

「……ええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 引き締めたはずの華織の気持ちが砕け散った。

by法条 & 華織

 

 






 

 

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『りゅうおうのおしごと!』 6巻 感想

 

りゅうおうのおしごと! 6 (GA文庫)

白鳥 士郎 (著), しらび (イラスト)

 

将棋の神様は、将棋を愛する者に宿る

 

将棋に魂を、人生を懸けた者たちの熱い戦い

 

「重度のロリコンですね。治療法は死ぬしかありません」
竜王防衛を果たし、史上最年少で九段に昇った八一。二人の弟子も
女流棋士になれて順風満帆……と思いきや、新年早々問題発生!?
不眠症や変な夢に悩まされ、初詣で怪しげなおみくじを引き、初JS研
では小学生全員に告白され、弟子の棋士室デビューは大失敗。おまけ
にあいはロリコンを殺す服を着て既成事実を作ろうと迫る。殺す気か!!
そんな中、銀子は奨励会三段になるための大一番を迎えるが――

新キャラも大量に登場! 熱さ急上昇で新章突入の第6巻!!
新時代の将棋の歴史は、ここから始まる。

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★★★☆ 8.5/10

 

感想

祝アニメ化!!

ある程度予想できてましたが、それでもおめでとうございます!

現実の藤井四段の活躍と合わせて、ラノベファン以外にも注目されるようなったらいいなと思います。

ストーリー的には面白さは間違いないですからね!

一般的にはちょっとロリコン成分高めすぎるのがネックかもですが……

 

 

 

そんなこんなで「このライトノベルがすごい! 2017」 で堂々文庫部門1位に輝いた『りゅうおうのおしごと』6巻の感想です。

 

展開としては5巻で主人公、九頭竜八一の竜王位防衛戦が終わり、物語としては一区切りがついた状態での新刊、

前巻が最終巻と言われても納得できるだけの内容と面白さだっただけにどうなるかとな思っていたんですが、予想通り物語としては第2部のスタートといった感じでした。

で、感想を一言でいうなら、今回もまた熱い!!

僕的にこの作品のジャンルはラブコメではなくスポ根もの、まあスポーツではないので正確には熱血将棋界ものと思ってるんですが、

この6巻でもまた、前巻とは違う将棋に魂を注いだ人達の人生を描いた、胸を焦がすような物語に心奪われること必至です!

 

姉弟子 空銀子の物語

前述したように前巻で八一の物語に一区切りがついたということで、それ以外の主要キャラ、今回は主に姉弟子こと空銀子の物語が中心となっています。

印象としては3巻の雰囲気が一番近いかなと思います。

話としては前回が竜王と名人の頂上決戦を描いていたのに対し、今回は一転プロを目指した奨励会での戦いがメインになります。

なんかこの対比がそのまま今の八一と姉弟子の立場を表していて面白いなと感じました。

そしてその姉弟子についてですが、プロ棋士(奨励会含む)の世界で天才達の中でもがき苦しむ凡人の苦悩がこれでもかと描かれていて、読んでいて切なくなるほどです!

境遇として3巻の桂香さんの苦悩と本当に近いものがありますね。

6巻読んだ後に3巻読み直すと、姉弟子のセリフ一つ一つに感情移入してしまってヤバいです。

桂香さんがあいや天衣との才能や将棋を始めた年齢の差に悩んでいたのと同様、姉弟子が周りの将棋星人達との才能と性別の差に追い詰められている様子には胸が締め付けられるような切なさがありました。

それくらい姉弟子の将棋に、八一に懸ける想いが熱いです!!

もうこれ姉弟子が主人公でいいんじゃね?って思えるほどに(えー

 

そして今回、桂香さんのように殻を破れたわけでも、何かに決着が着いたわけでもない姉弟子の物語が今後どうなっていくのか、第2部のメインテーマとして描いていってほしいくらい注目してます。なんとか、将棋の神様には銀子に祝福を与えてほしいと切に願います

 

余談ですが、巻を追う毎に姉弟子がかわいくなっている気がします。前巻で桂香さんに泣きじゃくる姉弟子も最高でしたが、6巻ではマジでかわいさ爆発してます

私服姿の挿絵とかマジ反則。個人的には4巻の釈迦堂さんの服着てる姿より好みです。

 

あと、姉弟子はお茶を入れるのは上手いらしくて「料理は壊滅的なのにお茶入れるのはうまいんだぁ」とか思ったんですが、その理由も地味にぐっときます。

 

師匠として八一が伝える最後の教え、天衣お嬢様の涙

姉弟子の奨励会の話と並行して語られているのが、八一とあい・天衣お嬢様の師弟としてのエピソードです。

正直いうと二人の棋士室デビュー・大盤解説のエピソードなんかは、あいと天衣お嬢様のKYっぷりに、おもしろいというよりちょっとムカムカしました。

すごい真面目なドキュメンタリーやスポーツの番組で、空気読まずにボケようとする新人の芸人見てるような感じに近いかなと。

ただ、それが後半の将棋の神様の話と八一から女流棋士になった二人へ伝える最後の教えへの伏線になっていて、この展開は本当に見事だなと思いました。

というか、第四譜の盤と駒の天衣お嬢様のエピソードはズルいです!!

第5巻で、天衣お嬢様がホントはすごく気の使える一途で優しい子だって知ってるだけに、あの展開であの涙であの挿絵はホント反則

真っ直ぐ素直でいい子に育ってほしい、八一の想いに心の底から共感できます。

そしてこのシーンの八一がこれまでで一番師匠としてかっこよかった気がします。

 

あいの将棋に対する想いについての疑問

まず最初にお断りを。あいちゃん好きの人はこの項目は読み飛ばしてもらうことをお勧めしておきます。割と厳しいこと言ってますので。

でもどうしてもこれは言っておきたいです!

 

この6巻、姉弟子と天衣お嬢様に関する部分だけで言えば、5巻に続いて10点満点を付けたいくらいにおもしろかったのですが……

たった一つだけ不満点が、というか納得いかない部分がある!!

それはあいの将棋に懸ける熱意についてです。

5巻でもちょっと感じてたんですが、この頃あいから1~3巻あたりで見られたような、将棋に対する真摯な姿勢というか、真剣さが伝わってこないんですよね。

なんか完全に八一>>>>将棋って感じに思えてしまいます。

たとえば大盤解説の時も、同じKY発言かましたといえ天衣お嬢様は終始将棋の話をしていたわけです。ただあいに関してはそもそも将棋の話なんて全くしてないわけですよ。はなから玉将と帝位という棋界トップの戦いよりも八一のことにしか興味がないと。読んでいてどうしてもそんな風に感じてしまいました。

その他にも八一以外のプロ棋士と将棋を指すことに興味がなかったり、姉弟子みたいな強くなるためならどんな努力も惜しまないっていう気迫・ハングリーさがいまいち感じられないんですよね。

 

今のあいの状態ってまさに、2巻で八一が危惧していた現状に満足している、幸せを感じてしまっている状態だと思うんですよ。

それどころか将棋が強くなることより、八一に振り向いてもらうことばっかり考えているようにすら感じます。

ホント2巻で天衣お嬢様と戦って自分の未熟さに涙を流してた時の気持ちを思い出してほしいです。

 

「もっと勉強すればよかった……! もっと強い人といっぱい将棋を指してもらえばよかった……! もっといっぱい詰将棋を解けばよかった……! もっともっと、他に何も考えられないくらい、将棋のことを考えなきゃいけなかったのに……!

 

こう思った当時の自分に胸を張って、今も将棋に取り組んでいると言えるのかと。

 

その辺八一も感じての第四譜の盤と駒のエピソードだったんだと思います。

その展開自体は納得ですし、「八一もよく言った!」と思いましたが、ただそれでもまだ温い!!

盤と駒のエピソードも天衣お嬢様のエピソードに比べると背景が弱いですし。

特に今回、姉弟子の想いと覚悟を知った後ではなおさらそう感じてしまいます。

 

ちょっと厳しい意見かなとも思いますが、僕は竜王のおしごとが大好きで、りゅうおうおしごとのキャラは皆好きでありたいと思います。

そしてりゅうおうおしごとで僕が一番キャラ輝いていると感じるのは、壁にぶつかってもがき苦しみながらもそれを乗り越えていく泥臭くて熱い展開です。

ぜひあいには2巻で描かれたようなような試練を、壁を乗り越えていくようなエピソードを期待したいです。

 

<おまけ>限定特装版の付録CD「空銀子☆生誕祭」

えー、ここからは限定特装版付録のドラマCDについての感想です。

内容的には銀子の誕生祝いで、こちら完全なラブコメ回ですね。そしてここでも姉弟子のかわいさが爆発してます

ただ姉弟子はもうちょっといい思いをしても罰は当たらないと思んですが……いや、かわいかったけど。

白鳥先生は姉弟子が嫌いなのか、好きな女の子はいじめたくなってしまうタイプなのか……

 

あとこっちだとまだあいがマトモなのも良かったですね。普通にツッコミ役してたし(えー

あいちゃんは八一の天然ラノベ主人公的な発言や行動に嫉妬してムッとしたり、ツッコんだりしてる方がかわいいと思います。

 

 

 

 

というわけで、笑いあり、涙あり、熱い展開ありと、アニメ化発表後の最新刊にふさわしい1冊だったと思います!

特装版のドラマCDも聞き応え十分ですよ!

ただ、一番泣けたのは本編と関係ない著者のあとがきでしたが……とにかくあのあとがき読んでの一言として、本当にアニメ化おめでとうございます!!

 

 

 

<個人的名言・名シーン>

「将棋の神様は、将棋を愛する者に宿る」

 だから盤や駒を大切にしなさいと。

 だから対局相手に敬意を払いなさいと。

 だからどんな対局でも心を込めて指しなさいと。

 だから……たくさんの人と、いっぱいいっぱい将棋を指しなさい、と

by 九頭竜八一 & 清滝師匠

 

八一に何かしてあげられるわけじゃない。八一に何かを与えてあげることもできない。

日光に当たるだけで壊れてしまうような出来損ないの身体と、将棋盤をくっきり思い浮かべることすらできないポンコツの脳。

それが私の全て。

だから私には将棋しかない

by 空銀子

 

 

 

 

 

 

 

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『86―エイティシックス―Ep.2 ―』 感想

 

86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉 (電撃文庫)

安里 アサト (著), I-IV (デザイン), しらび (イラスト)

 

 

まだ全員、覚えている。今も彼らは共に在る。

連れていくと――戦い抜いたその果てまで、連れていくと約束した。

 

戦いの中でしか生き方を見いだせない死神たちの、誇り高くも哀しい物語

 

 

共和国の指揮官・レーナとの非業の別れの後、隣国ギアーデ連邦へとたどり着いたシンたち〈エイティシックス〉の面々は、ギアーデ連邦軍に保護され、一時の平穏を得る。
だが──彼らは戦場に戻ることを選んだ。連邦軍に志願し、再び地獄の最前線へと立った彼らは、『隣国からやってきた戦闘狂』と陰で囁かれながらも、シンの“能力”によって予見された〈レギオン〉の大攻勢に向けて戦い続ける。そしてその傍らには、彼らよりさらに若い、年端もいかぬ少女であり、新たな仲間である「フレデリカ・ローゼンフォルト」の姿もあった。
少年たちは、そして幼き少女はなぜ戦うのか。そして迫りくる〈レギオン〉の脅威を退ける術とは、果たして──?
シンとレーナの別れから、奇跡の邂逅へと至るまでの物語を描く、〈ギアーデ連邦編〉前編!
“──死神は、居るべき場所へと呼ばれる”

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★★ 8/10

 

1巻感想はこちら →86―エイティシックス―』感想

 

感想

第23回電撃小説大賞≪大賞≫を受賞した『86―エイティシックス―』、その第2巻である『86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉』の感想です。

そう、上巻です! ということでこの巻のエピローグとしては思いっきり次巻に続く的な感じのいいところで終わってます。(えー

戦闘的にも物語的にも1巻のような衝撃なや山場があるわけではないです。どちらかというと激動の1巻に対して、物語としては静かに進んでいく感じです。

が、それでもなお面白い!!

 

とりあえず1巻読んで面白かったという人は間違いなく読んでほしいです。

1巻と同様、でもある意味1巻とは全く違う視点で描かれたとも言える、エイティシックスの生き様を感じていただきたい!!

 

圧倒的な内面描写で描かれる登場人物たちの想い

僕が『86―エイティシックス―』で一番すごいと感じたのは、登場人物たちの気持ちがもろに心に響いてくるような、まさに圧倒的ともいえる内面描写です

前述したように特に山場があるわけでも、血が滾るような展開があったわけでもないのに、それでもこの巻を読んで、「やっぱこの作品は面白れぇな」と感じたのは、間違いなく登場人物の内面描写があまりにも秀逸だったからだと思います。

特にギアーデ連邦で穏やかな日々を過ごすエイティシックス達が感じる"ここが居場所じゃない”という感情、再び戦場へ戻ることへの決心、描写自体は比較的淡々とした雰囲気なんですが、それが無性に胸を締め付けてきます

特に戦場へ戻ることをギアーデ連邦の(暫定)大統領に告げるシーンのシンのセリフ、1巻を読んだ方にとってはこれ以上ない説得力だったのではないかと思います。

ええ、このシーン僕はちょっと泣きました……

 

1巻との対比、平和の中でのエイティシックスの異常性と気高くも哀しき在り方。

2巻を読んで感じたのが、エイティシックス達(正確には旧スピアヘッド部隊の面々ですが)について、1巻と対比して描かれているなということです。

1巻では僕を含めて多くの読者の方が、サンマグノリア共和国の異常性、白系種アルバのクズさの中での、エイティシックスの気高さを感じたことかと思います。

2巻では逆に、ギアーデ連邦というまともな国家、人々の中で、エイティシックスの異常性が浮き彫りにされているのが印象的でした。

とにかくこの対比が抜群に素晴らしいです!!

 

さらに言うと、1巻ではエイティシックスについて絶死の戦場での戦いを共用された奴隷のような立場でありながら、彼らは決して共和国に強要されたから戦っているのではない、戦場が居場所だから、戦うことが存在理由だからこそ自らの意志で戦っているのだと、心は決して縛られていないのだと訴えていたように感じます。

一方で2巻では、自由に人生を選択できる立場であったとしても、結局は戦場に戻ることを選ぶわけです。それが彼らの存在理由であり、戦場こそが彼らの居場所であるが故に。

正直このシーンを読んだ時は彼らの変わらぬ在り方に胸が熱くなったのですが、2巻を読み終えた後に改めて考えてみると、どこか一抹の哀しみを感じる選択でもあるなと。

あるいは「エイティシックス」としての生き方に囚われているのではないかと。

多分この後のストーリーとエルンストやフレデリカの心情がそういう気持ちにさせるんだと思うんですが、この辺りの描写や展開がホント上手いなと思います。

あっ、ちなみにエルンストとフレデリカって誰やねん!って方は本文読んで下さい(えー

 

いわば、1巻は哀しくも気高き存在として彼らを描いていたのに対し、2巻では気高くも哀しい存在として彼らを描写しているように感じました。

同じでありながらも違う、この対比の仕方は本当に凄いなと、賞賛に値すると思います。

 

本当の意味での物語の始まり

あらすじにもある通り、この物語は1巻における最終決戦とエピローグの間の物語です。

最初『86―エイティシックス―』の続巻の発売を知った時は、1巻エンディング、シンとレーナの再会後の物語が描かれるのかなと思ってました。だから正直あらすじを読んだときは、割と番外編的な位置づけなのかなとも思っていたんですが……甘い!蜜のように甘かった!!

 

むしろ2巻を読んだ後では、シン達がギアーデ連邦にたどり着いてからが『86―エイティシックス―』という物語の本当の始まりのようにすら感じてしまいます

もちろん1巻単独で読んだとしたら、それは間違いなく『86―エイティシックス―』として完璧な物語なんですが、不思議なことに2巻と合わせて読むと、読む前はエピローグの補完だと思っていた2巻からが本編で、1巻がプロローグだったように思えてきます。この文章力というか、物語の構成力は恐ろしいとすら感じますね。

 

で、この2巻を読んで思ったんですが、この『86―エイティシックス―』って多分今後人類とレギオンの戦いを描いていくことになると思うんですが、それと同時に彼ら「エイティシックス」が生きる意味を探す物語でもあるんじゃないかなとも感じました。

それがやっぱり戦いなのか、それとも戦場以外の居場所を見つけるのかは分かりませんが、彼らが戦い抜いた先に何を想うのか。それがこの物語の大きなテーマなんじゃないかなと思います。

 

だから下巻を早く!!

 

最後に一つだけ、いや、二つだけ不満を。

まずシン達の搭乗機についてですが、僕の好みとしてはレギンスレイブよりジャガーノートの方が無骨なデザインで好きでした。なぜあんな洗練された流線形になってしまったのか……

2つ目はマジどうでもいいと思われるかもですが、頭イラストのレーナのガーターベルトが見切れているのは何故だ!!(えー

 

 

<個人的名言・名シーン>

楽しいけれど。でも、やっぱりこの暮らしは、自分達にとってはひとときの夢だ。

夢はいずれ、醒めるものだ。

by クレナ

 

「もういいのか」

「うん。見なきゃいけないものは、全部見たと思う」

「帰ろう。あたし達のいるべきところに」

by シン & クレナ

 

おれ達はただ、運が良かっただけです」

「たまたま助けられただけなのに、それをいいことにこのまま足を止めていたら、戦い抜いて死んだあいつらに顔向けができない。まだおれたちは死んでいない。……まだ、戦い抜いたわけじゃない」

 まだ全員、覚えている。今も彼らは共に在る。

 連れていくと――戦い抜いたその果てまで、連れていくと約束した。

by シン

 

「それに、……先に行きますとか言っておいて、もし追いつかれたりしたら恰好悪いよな」

by ライデン

 

 

 

 

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『たったひとつの冴えた殺りかた』 感想

 

『たったひとつの冴えた殺りかた』 (HJ文庫)

三条ツバメ (著), 赤井てら (イラスト)

 

 

お前ら、人質ごっこの次は戦争ごっこをやらないか?

 

最強にクールでイカれた主人公が織り成すハードボイルド異能バトル!

 

異能力が売買され、個人が圧倒的な戦闘力を持つ時代。強力な異能が高額で取引されるなか、代金の支払いを滞納する者を追うための「債権回収機構」が組織されることになった。機構の凄腕エージェントであり、情け容赦無さで名高いノーマンはマフィアが支配する町バリオスにて高ランクの異能の滞納者の情報を得る。早速、相棒でありボスであるアイビスと共に異能回収に向かったノーマンだが、待ち受けていたのはマフィアの抗争だった。圧倒的なパワーで無慈悲に敵をなぎ倒す異能バトルアクション登場!

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★★ 7.5/10

 

 

感想

第10回HJ文庫大賞「銀賞」受賞作、三条ツバメが描く『たったひとつの冴えた殺りかた』の感想です。

こちらの作品、タイトルのセンスが気に入っ発売前から割と注目してた作品の一つです。

そのタイトルですが、ジェイムズ・ティプトリー・Jr.の名作SF小説『たったひとつの冴えたやりかた』のもじりですね。

ぶっちゃけ内容的には元ネタと全然関係ないですが……。

あと主人公の殺り方が冴えてるかと言われれば、むしろランボー並に大暴れしてるイメージですが……

ただ僕は、内容なんてあらすじを読めばいいからタイトルは語感とか響きがかっこよければいいと思ってるんで、そういう意味でこの作品のタイトルはけっこうツボでした。

どうでもいいけど、GOOGLEで検索する時、「たったひとつの冴えた殺」で検索するとちゃんとこの作品がヒットするのに「たったひとつの冴えた殺りかた」で検索すると元ネタのジェイムズ・ティプトリー・Jr.の作品ばっかり上位にきます……解せぬ。

 

肝心の内容の方ですが、とにかくハード!!

全編通してバトルの連続で、登場人物もほぼ男性(しかも大体おっさん!)。

人もガンガン死んでます。というか主人公がガンガン殺してます!!

女性受けとか萌えとか一切考慮してません!って感じの作風と展開が、管理人的にはたまらなく素敵でした!!

まだまだ粗削りかなと思う部分もありましたが、それを補って余りある勢いと熱量をこの作品からは感じます。

 

ちなみに管理人の持論に「渋い男キャラが活躍するラノベやアニメにほぼ(全部とは言わない)ハズレなし」というのがあるのですが、この作品もその持論から漏れることなく素晴らしい作品であると言いたい!!

 

 

異能を金で売買する世界。バトルものの王道である異能を使った斬新な設定

この作品、ラノベのバトルものでは超王道と言える現代異能バトルものに分類われると思いますが、結構設定がひねられていて面白いです。

まず異能についてなんですが、生まれつきの能力とか、魔術みたいに習得するものではなくて、金で売買する商品として扱われています。

要は金と権力を持ってる人間が戦力すらも手にする世界。

さらに異能は低い能力のものでも超高額で、買うのにローンを組むことができるのですが、払えなくなると回収屋に異能を取り立てられるという……

とにかくこの作品の世界観、フィクションなのに妙に生々しくてエグいです

なんとなくバクマンの『この世は金と知恵』を連想しますね。

こういうちょっとひねられた邪道な設定は大好物でした。

 

ただ異能を扱うのには当然適正や訓練も重要で、単純に強い異能を手に入れられれば、そのまま最強というわけではない。

だから世界を牛耳っている異能販売会社は自社に最強の異能部隊を抱えている。

この辺の異能の強さを表すクラスやら適正ランクやら各企業が抱えているランクSの異能力者やらって設定は燃え要素満載でワクワクしますね!!

 

ちょっと邪道ながらも上手く読者のツボを押さえていて、あらすじ読んだだけでも惹きつけられる世界観は見事だと思います。

 

主要登場人物の9割が男キャラという近年ラノベ史上屈指の硬派さ

冒頭述べた通りこの作品、登場人物の9割くらいは男キャラです。しかもBLな方々が喜びそうなイケメン王子様なキャラはほぼ皆無で、渋いおっさんだったり、腹黒そうなおっさんだったり、小物っぽいおっさんだったり……ほぼおっさんです。(えー

男キャラばっかりというより漢キャラばっかりというべきか……。

なんせ主人公のノーマンからしてやたら渋くてクールでダンディなおっさんですからね。いやかっこいいけど。

そんなわけでストーリーもラブコメ的なノリは一切なく、ひたすらバトル・バトル・バトルの連続で、とにかく主人公の戦闘凶っぷりとクールな仕事っぷりを堪能しろ!と言わんばかりのハードな展開が魅力です。

 

主人公の万能超人っぷりとクールな仕事人っぷり、イカれた戦闘凶っぷり

主人公のノーマンについて、著者の三条先生もtwitterなんかで発言されてましたが、とにかく無敵で最強なキャラとして描かれてます。

おまけに頭も切れて、ついでにチェスも強いという万能っぷり。

ノーマン自身もそれを自覚しており、言動や行動にも自信がみなぎってます。

その辺りを読者に自信過剰とかイヤミに感じさせることなく描写する三条先生の文章力は見事だと思いますね。

 

ちなみにこの主人公、敵のボスやら強敵を倒しても一切感慨にふけることなく、回収屋としての仕事を優先するクールっぷりと、自分に歯向かった場合は相手がマフィアだろうと、殺し屋派遣会社だろうと、一銭にもならなかろうと壊滅させるまで徹底的に追い込む戦闘凶っぷりとのギャップも魅力の一つかなと。

 

とにかく最近ではあまり見ないくらいの実力も性格も完璧で超人的な主人公だと思います。

個人的には俺Tueee系の主人公はこれくらい突き抜けているかひょうひょうとしていて、とにかく流されない・ブレないキャラの方が好みですね。

 

アイビスとノーマンの夫婦漫才のような掛け合い

何度も述べたように、この作品は息もつかせぬバトルの連続でとにかくハードな展開が魅力なのですが、そんな中で数少ない女性ヒロイン(AIですが)のアイビスと主人公のノーマンの掛け合いが面白くて、ハードな展開の息抜きとしていい役割を果たしてます。

いや、最初読む前はアイビスのことを有能で唯我独尊な女性上司とかボス的なキャラかと想像していたんですが(空の境界の燈子さんとかみたいな)、いざ読んでみると予想を裏切るポンコツっぷり!!

これはいい意味で期待を裏切られました!

このやたらとうるさく絡んでくるアイビスと、それをさらにやたらと雑に扱う主人公の掛け合い、クールだったり不愛想なキャラばっかりの中でのアイビスの空回りっぷりがとにかくおかしかったです。

 

物語としての完結性

シリーズの1巻についてどうしてついて回る問題として、単巻でのストーリーの完結性というのがあると思います。

あくまで1巻単独で読んでも読後にモヤモヤが残らないだけの伏線回収とストーリーが完結されているかっていうのは、管理人はこの部分結構重要視していて、読後感がどうであるかに大きく影響してくる部分でもあります。

その点、この作品はシリーズもののとして今後展開を広げられる要素をにおわせつつ、大枠の所ではストーリーをきっちりと完結させており、主人公の暴れた後のようにもやもやの残らない爽快な読後感でした

 

 

総評として、話の展開はしっかりとまとまっていつつひねりも効いており、キャラもしっかりと立っていて、全体的にレベルが高いという印象。

あと評価が分かれそうなのは華が少ない点ですが、作品の魅力とも言えるハードボイルドな世界観との両立を次巻以降期待したいですね。

さんざん男キャラが活躍する作風を褒めておいてあれですが、やっぱ華はほしいです。

せめてアイビスが生身だったら……(えー

管理人の嗜好は置いておいて、シリアスともコメディとも違う、まるでアメリカ映画でありそうなハードボイルドな作風がツボにはまる方にはぜひ読んでいただきたい作品でした。

 

超余談ですが、なんとなく若かりし頃のシュワちゃん主演で映画化とかしたら似合いそうとか思ったり……

 

 

<個人的名言・名シーン>

「ふふん、私の適応能力を甘く見てもらっちゃ困るのですよ。マフィアが何ぼのもんじゃいなので――」

「待てやコラァ!」

すがすがしい空気を引き裂いて、通りに怒声が響いた。

「ひぃ!なめた口きいてすいませんでしたなのです!」

by アイビス

 

「お前ら、人質ごっこの次は戦争ごっこをやらないか?」

by ノーマン

 

 

 

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2017年上半期 個人的ライトノベルランキング TOP10 +α

 

2017年も半年たったということで

2017年上半期の新刊で管理人が特に面白かったと思うライトノベルをランキング順に紹介。

ちなみに期待値に対してどうだったかというのも多少は影響してます。

シリーズものについては、どうしても過去の最高に面白かったエピソードと比べてしまうので。

とりあえず今回の記事書いてて、改めて自分でランキングつけるのって難しいなと思いました。

初っ端1位と2位どっちにするかでめっさ悩みましたからね。

ちなみに管理人が2017年上半期に読んだ新刊は数えたら108冊。

狙ったわけではないですが、ジャスト煩悩の数になりました(だから何だ……

僕の読書スピードからすると思ったよりたくさん読んでたなという印象です。

 

ちなみに好きなライトノベルを投票しよう!! - 2017年上期の投票も兼ねてます。

 

1位 86 -エイティシックス-

 

★★★★★★★★★ 10/10

 

第23回電撃小説大賞“大賞”の栄冠に輝いた作品。

近年の新作ラノベの中でもぶっちぎりに管理人好みのストーリーで、2017年上半期の個人的ラノベランキング堂々の1位です。

物語の設定、世界観、ストーリー展開、キャラの内面描写のどれも秀逸ですが、

スピアヘッド戦隊の気高さ、彼らの駆け抜けた人生の意味を想うと胸が熱くなります。

まさに「ラストの一文まで文句なし」という帯の時雨沢先生のコメントに偽りなし!!

何より読後感が圧倒的に素晴らしいです。

 

『86 -エイティシックス-』感想ページ

 

 

2位 りゅうおうのおしごと 5巻

 

★★★★★★★★★ 10/10

 

これが最終巻かと思ってしまうくらいこの作品の熱量の全てが注ぎ込まれたエピソード。

名人との第3戦、竜王九頭竜八一の覚醒、そしてその決戦を見守る人々の、ラノベ史上でも個人的に最も血が滾る展開と描写の連続で終始胸が熱くなりっぱなしでした!!

最後まで『86-エイティシックス-』とどちらを1位にするか迷いました。

第3戦の部分だけなら少なくとも同率1位以上は間違いない面白さだったんですが、

その前のあいと家族の悪ノリがちょっとやりすぎかなと感じたので(管理人は銀子派ですので)2位となりました。

個人的に歩夢からの解説無視した八一への応援シーンと、鵠さんが記者を目指したエピソード部分が大好き。

 

 

3位 月とライカと吸血姫 2巻

 

★★★★★★★★ 9/10

 

1巻読んだのは昨年なんで、あくまで2巻単独の評価ということで。

1巻で割と上がり切った期待値をさらに超えてきた恐るべき作品。

宇宙開発と言うSF要素と吸血鬼という伝奇の王道を組み合わせるという斬新な設定でありながら、

すごくきれいな王道のボーイミーツガールものに落とし込まれてます。

なにより物語の流れがとんでもなく美しく素晴らしい!!

ただこの物語の真骨頂は1,2巻をセットで読んだ時だと思います。

 

『月とライカと吸血姫 』2巻感想ページ

 

 

3位 始まりの魔法使い1 名前の時代

 

★★★★★★★★ 9/10

 

これまた『月とライカと吸血姫』2巻とどっちを3位にするか悩んだ作品。

というか決めきれなくて結局同率3位です!!(えー

WEB小説発の作品ではダントツの完成度だと思います。

読み終わった後の感動と満足感、次に語られるであろう今後の歴史についての期待感、一つの物語としてもシリーズものの1巻としても、素晴らしいの一言。

なにより物語のスケールが壮大でとにかく圧巻!!

書籍版で加筆された序章部分も物語の壮大さを高めるのに最高のエピソードでした。

 

『始まりの魔法使い1 名前の時代』感想ページ

 

 

5位 君は月夜に光り輝く

 

★★★★★★★★ 9/10

 

『86-エイティシックス-』と共に第23回電撃小説大賞≪大賞≫を受賞した作品。

こちらは超直球の純愛ストーリー。あらすじからも感じる切なさを滲ませつつも美しく幻想的な物語が魅力。

読者にとって色々な感じ方があると思いますが、僕にとっては渡良瀬まみずが幸せになる物語であると感じました。

 

『君は月夜に光り輝く』感想ページ

 

 

6位 結物語

 

★★★★★★★★ 8.5/10

 

物語シリーズはエピソードによって語り部が変わるんですが、やっぱ阿良々木暦の語りが一番好きですね。

今作はオフシーズンに入ってもうないかなと思っていたそんな暦さんの語りの物語。

阿良々木暦の高校卒業から5年経っており、主要キャラの‟その後”が描かれています。

とりあえず暦とひたぎのラストのやり取りが最高です!

1巻からずっと追いかけてきた読者の方はきっと共感してくれるはず。

 

 

7位 かりゆしブルー・ブルー 空と神様の八月

 

★★★★★★★★ 8.5/10

 

イラストレーターさんが書いたヒロインに物語をつけるというちょっと変わった企画から生まれた作品。

沖縄情緒あふれるのどかさが伝わってくるような雰囲気の中で語られる物語は、序盤のコメディ感あふれるお話から一転、後半はシリアスな展開に。

そのバランスと緩急、展開の切替がすごく上手いです。

まさに笑って感動できる作品という印象。

 

『かりゆしブルー・ブルー 空と神様の八月』感想ページ

 

 

8位 妹さえいればいい 7巻

 

★★★★★★★★ 8/10

 

これぞ青春群像劇の真骨頂

ひたすら主人公とカニ公のイチャラブになるのかと思ってたら、そこもしっかりと描きつつ、二人の交際をきっかけとしたさまざまな変化が描いた、まさに群像劇の魅力全開といった1冊。

特に伊月の部屋に集まっていつものようにゲームをするんだけど、ちょっとづつ皆のやり取りがこれまでと変わっているその描写が素晴らしい。

変わらないものと変わっていくもの、登場人物それぞれに人生を感じさせてくれる作品。

 

 

9位 まるで人だな、ルーシー 1巻

 

 

第21回スニーカー大賞《優秀賞》受賞作
かなり尖った作品なんで、読者によって好き嫌いが分かれそうですが、僕は結構好きな作風なので9位にランクイン。
主人公の日常の壊れていく描写がとにかく秀逸で、人間に近づいていくスクランブルと、人でなくなっていく主人公の対比が絶妙。
登場人物もどこか退廃的で破滅的な部分を抱えているというか、主人公筆頭に死生観というものを明確に持った登場人物が多いです。
だからこそ人間らしさとは?生きるとは?というテーマが際立っているように感じます。
多分ハマる人にはとことんハマる作品じゃないかなと。

 

『まるで人だな、ルーシー』1巻感想ページ

 

 

10位 白翼のポラリス

 

 

第6回講談社ラノベ文庫新人賞「佳作」受賞作

飛行機ファンタジーの超王道と言える「ボーイミーツガール」ものです。

幻想的で透き通るような世界感と、爽やかな読後感が魅力

シリウス機との空中戦闘は、飛行機好きなら燃えること間違いなしだと思います。

その後の展開でもう一盛り上がりあればもっと上位の可能性もありましたが、それでも十二分に面白く堂々10位。

 

『白翼のポラリス』感想ページ

 

 

TOP10にはわずかに届かなかったけど、特におすすめの作品

ようは10作品に絞り切れなかっただけです。すいません。(えー

 

<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム- 3.超級激突

<超級>VS.<超級>。頂点の戦いが始まる。

決闘都市ギデオンの闘技場で開催されるイベント『超級激突』。人知を超えた能力を持つ<超級>同士のバトルを間近で見ることができるこの大祭に向けて、町中がお祭り騒ぎとなっていた。
アルター王国決闘ランキング1位“無限連鎖"フィガロVS.黄河帝国決闘ランキング2位“応龍"迅羽。知り合いであるフィガロの応援もあり、闘技場へと足を運んでいたレイたちだが、
この大祭の水面下ではある企みが進行していて――。超人気VRMMOファンタジー、大興奮の第3巻!

 

2巻読んだのが1月以降だったら間違いなく上位ランクインは間違いなしだったんですが……

ただ3巻も十分に面白い!というか読者の方によっては、こっちの方が好きって人も結構多い気がします。

今回は主人公がほぼ背景と化してますが、話のメインはサブタイトルに有る通り、<超級>同士による異次元バトル

やっぱこういう頂上対決的なノリは燃えますね!!

2巻はかなりシリアスな話の中での熱い展開でしたが、3巻はエンターテイメント的な熱さがあります。

 

魔術破りのリベンジ・マギア 1.極東術士の学園攻略

日本の魔術は世界一! 東洋VS西洋の本格魔術バトル!
二十世紀初頭――めざましい科学技術の発展の裏で、人類は確固たる魔術文明を築き上げていた。世界のパワーバランスすら左右する“魔術師"を育成する機関「セイレム魔女学園」。
そこで起きた怪事件解決のため、凄腕術士・土御門晴栄(つちみかど はるな)が米国の地に立つ! 「あらゆる状況を想定し戦術を千変万化させていく――これが、陰陽師の戦い方だ」
北欧神話・死霊術・吸血鬼、様々な魔術体系を東洋魔術でブッ飛ばせ! ハイエンド魔術バトルファンタジー、ここに開幕!!

 

すさまじいまでの魔術に対する熱量と、圧倒的なまでに緻密に練られた舞台設定

型月に代表される伝奇もの好きな人は間違いなくよだれものの世界感かと思います。

相手に合わせて戦術を変化させる陰陽師の戦い方も個人的にはツボでした。

ストーリーもでこちらの期待を裏切りらない王道展開で、学園異能バトルもののツボを押さえた作品と言えます。

 

『魔術破りのリベンジ・マギア 1.極東術士の学園攻略』感想ページ

 

ラノベのプロ!2 初週実売1100部の打ち切り作家

ラノベ作家のプロポーズによって、二人の関係は急速に動き出す。

「俺と、結婚してくれ」幼馴染みの結麻へ思いの丈をぶつけた、意識高い系作家の神陽太。突然の関係性の変化に、いつもの日常もどこかギクシャクしてしまう。そんな中、小太郎のデビュー作にトラブルが発生して!?

 

冒頭で述べた読む前の期待値に対してどうだったかと言う点でいうと、個人的に今期最も予想を超えてきた作品。

1巻から引き続きのキレッキレの業界ネタに加え、2巻ではストーリーも熱い展開で読み応え十分

売り上げに拘るプロとしての責任の大切さ、またそれだけがラノベの全てじゃないという小説を書くことのすばらしさを教えてくれます。

まさに熱血青春ラノベ業界ストーリーといった感じ。

 

『ラノベのプロ!2 初週実売1100部の打ち切り作家』感想ページ

 

 

ここに挙げなかった作品でもおすすめはまだまだあるけど、キリがないので頑張って絞りました。

こうして見ると意図したわけではないですが、新作は新人賞受賞作品のランクインが多めですね。

割と妥当なランキングになったような気がするけど、どうなんだろう……?

 

 






 

 

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