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『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』感想

 

6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。 (角川スニーカー文庫)

大澤 めぐみ (著), もりちか (イラスト)

 

今よりもっと、もっと早く。もっと強く。

やるべき宿題は山のように積みあがっている。

 

『おにぎりスタッバー』の鬼才による、渾身の青春群像。

やりたいことが見つからず、漠然と都会を夢見る優等生の香衣。サッカー部のエースで香衣の彼氏のはずの隆生。香衣に一目惚れする学内唯一の不良・龍輝。ある秘密を隠すため、香衣の親友を演じるセリカ。4人が互いに抱く、劣等感。憧れ。恋心。後悔。あの駅で思いはすれ違い、一度きりの高校生活はとどまることなく進んでいく。「どうしてすべて手遅れになってからでないと、一番大事なことも言えないんだろう」これは、交錯する別れの物語。

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★★★☆ 8.5/10

 

感想

大澤 めぐみ先生による青春群像劇。

これまでの先生の作品といえば「おにぎりスタッバー」や「ひとくいマンイーター」など、少なからずクセのある作風というイメージだったんですが、今回はシンプル&ストレートな物語

なにより少年少女の悩みや葛藤の描き方がかなりリアルで、かなり自分の好みにストライクな作品でした!!

 

とりあえず表紙やあらすじで気になっている方は、割とその印象まんまのストーリーなので買ってそんはないかと。

思春期の少年少女の日常の風景と葛藤を描いた群像劇

ストーリーとしては長野県を舞台に、4人の高校生たちの入学から卒業までの3年間の高校生活が描かれています。

特徴的なのが、高校生活を描いているといっても、クリスマスやバレンタイン、文化祭や修学旅行といったラノベの学園ものにおける定番行事を一切描くことなく、徹底して日常における出来事の描写にこだわっている点ではないでしょうか。

その何気ない描写や日々の些細な出来事によるちょっとした心境や人間関係の変化の描き方が本当に上手いです。

 

またこの作品では章ごとに語り部が変わり、それぞれの視点から見た高校生活が描かれる、はっきりとした群像劇の形態がとられています。
そしてそのストーリー構成がまた見事!!
例えば1章では香衣からみた隆生やセリカへの想いや関係、自分自身がどういう人間かが描かれているんですが、後の章ではそれぞれの視点から見た自分自身や香衣との関係、香衣への想いが描かれており、その対比と描写の順番がとにかく素晴らしかった!!
ぶっちゃけるとみんながみんな、自意識のかたまりのようなもんなんですが、その青さと些細なことが人生の全てのように感じる悩みがいかにも高校生といった感じで、まさに思春期の青春といった印象
特に高校生らしい行事を書いていないのに、やたらと高校時代が懐かしく感じてしまったのは、多分この内面描写がすごくリアルで秀逸だったからだと思います。

 

紹介文どおり、まさに渾身の青春群像劇といったストーリー・描写で、僕みたいな大人は高校時代の郷愁を誘われ、(おそらく)登場人物達と同世代の人たちはその悩みに共感できる素晴らしい作品でした。

 

 

 

<個人的名言・名シーン>

 これから先の三歩を、わたしは一人で進まなければならない。

by 香衣

 

今よりもっと、もっと早く。もっと強く。

やるべき宿題は山のように積みあがっている。

by 龍輝

 

俺が本格的にダメになってしまう前に、お前が大学に入って出て行ってくれるなら、俺はそれでアガリ。百点満点ってわけにはいかないだろうけど、及第点くらいは取れてるでしょ

by 正弥

 

松本駅の3番ホームに金ピカのギ=マニュエル・ド・オメン=クリストが親指を立ててかっこいいポーズで佇んでいて、顔の液晶に私に向けたメッセージを流しているのだ。

by 香衣

 

 

 

 

 

 

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『あのねこのまちあのねこのまち 弐』 感想

 

あのねこのまちあのねこのまち 弐 (講談社ラノベ文庫)

紫野一歩 (著), 旅空 (イラスト)

 

何てったって、私は気まぐれだからねぇ

 

注文した品が勝手に出て来る店ばかりの町、夕霧町。そんな町で相談屋を営む猫又の少女・フミとそれを手伝う高校生・墨染幸一。二人の“空猫屋”には、今日も不思議な依頼が。妖怪・繰離の捕獲を依頼された空猫屋。危険な依頼にもかかわらず、どたばた捕獲に成功した二人だが、この事件は二人を待ち受ける哀しい運命の序曲に過ぎなかった――。……と、シリアスだけど基本は脱力系! 愉快なお悩み解決ファンタジー第二弾登場!

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★★ 7.5/10

 

感想

1巻同様、作品内の世界を流れるゆるやかな空気感が素晴らしい

やはりこの作品全体を取り巻く雰囲気が『あのねこのまちあのねこのまち』の一番の魅力ですね。

夕霧町の世界観、コーイチとフミの掛け合い、独特の物語のテンポには、読んでいて不思議な心地よさを感じさせてくれるものがあります。

 

ストーリー

序盤は前巻同様、空猫屋に持ち込まれた相談をゆる~く解決していく連作短編に近いストーリー構成となっています。

雰囲気はまさに脱力系ファンタジーという印象で、どの話もなんとなくほっこりしていて癒されます

そして後半はとある出来事をきっかけに少しシリアスな展開に

この辺のストーリー構成は1巻と同じですね。

ただ肝心のシリアス部分のストーリーとしてはちょっと弱かったかなという印象も。題材としては1巻でフミが行った吸気分霊、猫又と化け猫の違いなど、上手く伏線を使っていて非常に良かっただけに、もっとじっくりと描いてほしかったなというのが正直なところ。

なんかあっさりとエンディングに持っていったなという印象。もう少し山場というか、盛り上がりがあれば1巻以上に面白くなっていたかもしれないだけにその部分が惜しかったなと。

まあ、この問題については根本が解決したわけではないので、次巻以降の描写に注目といったところでしょうか。

 

キャラ

1巻後半でフミが抱えていた過去と苦悩を乗り越えた二人の関係が2巻でどうなっているのか気になってたんですが、予想通り、良い意味で特に変わってなかったですね。空猫屋でのんびり鍋茶をすすったり、フミの言動にこーいちが突っ込んだり、ときどき夕霧町の非常識さについていけなくなるこーいちにフミが適当な説明かましたり。

なんか暇さえあればお気に入りのカフェに入り浸ってる内に仲良くなった常連客とマスターみたい。まあ出てくるのは鍋茶ですが・・・・・・

そんな二人の、ゆるくて不思議な距離感と関係がやはり心地良い

 

あとは新キャラも何人?(妖怪も数え方は〇人でいいのか?)か出てくるんですが、しっかりと1巻から登場してるキャラの掘り下げもされていて、その辺りのバランスはすごく良かったかなと。

 

総評

後半は多少シリアスな展開もありますが、基本はゆったりしたテンポで綴られる、文字通り浮世離れした人?達が織り成す、お悩み解決ファンタジーといったところ。

ほっこりした話が中心なので、肩肘張らずにのんびりした気分で読むのがベストかなと。

あくせくしてるのがバカらしくなるような、この作品独特の読後感が非常に気持ちいいです。

 

 

 

 

 

 

 

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『戦闘員、派遣します!』 感想

 

戦闘員、派遣します! (角川スニーカー文庫)

なつめ (著), カカオ・ランタン(イラスト)

 

「スノウを囮にして即刻逃げるぞ。行くぜアリス!」

「がってんだ!」

 

世界征服を目前にし、更なる侵略地の先兵として派遣された戦闘員六号の行動に『秘密結社キサラギ』の幹部たちは頭を悩ませていた。侵略先の神事の言葉を『おちんち○祭』と変更するなど、数々のクズ発言。さらには自らの評価が低いと主張、賃上げを要求する始末。しかし、人類と思しき種族が今まさに魔王軍を名乗る同業に滅ぼされると伝えられ――。
「世界に悪の組織は二つもいらねぇんだよ!」現代兵器を駆使し、新世界進撃がはじまる!!

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★★☆ 7.5/10

 

感想

『この素晴らしい世界に祝福を!』の作者である暁なつめ先生の新シリーズです。

まあ、新シリーズといっても実際は『このすば』以前に書いてた作品の書籍化にあたりますが。。。

 

悪の組織に改造人間、転移装置なんかのSF、勇者に魔王に魔法といったファンタジー、異世界転移に現代知識チートなど、色んな要素のごった煮といった設定なんですが、ただそれを暁なつめ先生らしいコメディ全開なノリで上手く一つにまとめており、設定過多な印象を受けないのがすごいところ

 

そして『このすば』同様、絶妙に頭のおかしい主人公やヒロインたちが繰り広げる掛け合いという名のバカ騒ぎが最高に愉快です

 

ナチュラルに面白いセンス抜群のコメディ

実はラノベ作品の中で、こと笑いにおいては暁なつめ先生のセンスがトップクラスに好みだったりします。

(といってもこれまで『このすば』しか読んだことないですが)

 

キャラが狙ってボケてるというより、素で頭おかしいやり取りをしている感じなのが、ナチュラルに笑えるんですよね。

 

今作でもその魅力は健在で、テンプレ展開をあざ笑うかのような主人公の戦闘員六号と相棒のアリスによる、敵味方問わずの暴言・無礼・暴虐の仕打ちがかなりツボでした

 

絶妙なバランスの変人具合が魅力的なキャラクター

センス抜群・コメディ全開なノリを支えるキャラクターたちも『このすば』同様、非常に魅力的

主人公はほどよくクズで、微妙に小物で、いい感じに変態で、割と善人。このバランスが非常に素晴らしく、クズで割と最低な発言も連発してるのに、なんか憎めない絶妙なキャラに仕上がってます。この辺りも『このすば』のカズマに通じるものがありますね。

 

他のメインキャラもどいつもこいつも確実におかしい変人・変態どもですが、みんな少なからず常識的な部分も残しており、そのバランスもまた秀逸。なので全キャラがボケにもツッコミにも対応でき、シーンによってボケるキャラ、暴走するキャラ、ツッこむキャラ、ドン引きするキャラなど、それぞれの役割がかなり入れ替わります。

これについては、人によって読んでて分かりにくいってある可能性もありますが、僕としてはメインキャラ全員がイキイキと描かれてる感じがして良いなと思いました。

 

個人的には主人公とアリスの、逃げる決断する時や、他人を貶める時の、やたらと息ぴったりな掛け合いがめっさツボでした

 

戦闘員六号

主人公。いい感じのクズ。・・・・・・いい感じのクズっって何だ?

アリス

主人公の相棒のアンドロイド。人を貶める発言と発想に関しては天下一品。

たまに主人公と思考回路が一緒なんじゃないかと思えるくらい息ぴったりな時がある。

スノウ

間違いなく主人公とアリスの悪ノリの一番の被害者。

でも本人も大概な部分があり、たまに主人公をドン引きさせる。

ロゼ

おそらく羞恥プレイをさせたら右に作中で右に出るものはいないというくらい涙目が似合う子

グリム

車いすで暴走出せたら、こち亀の本多ばりにネジが外れるやばい子。

淫乱ビッチと紹介文にあるのに全然ビッチじゃないのは詐欺だと思う(えー

 

総評

実に暁なつめ先生らしい作品。逆にあえて苦言を呈するなら「暁なつめ先生らしすぎる」点かなと。

せっかく『このすば』と全く違う設定の作品なのに、キャラの魅力も作品の雰囲気もほぼ『このすば』と同じという印象を受けちゃうのがもったいないところ。まあぼくは好きなので何の問題もないですが、『このすば』も続いてるんだし、せっかくなら違う雰囲気の作品も読んで見たかったという気持ちも。おもいっきりラブコメメインな作品とか。

 

 

<個人的名言・名シーン>

「誰か、助けてくれ!この女は頭がおかしい」

「一体誰がおかしい女だ!おかしいのは貴様の頭だっ」

by 戦闘員六号 & スノウ

 

「スノウを囮にして即刻逃げるぞ。行くぜアリス!」

「がってんだ!」

by 戦闘員六号 & アリス

 

 

 

 

 

 

 

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10月に管理人が読んだラノベとおすすめ作品

 

10月に管理人が読んだラノベとおすすめ作品

9月に管理人が読んだラノベ新刊とそん中でおすすめを何冊か紹介。

新刊と言いつつ、今月新たに読んだライトノベルが対象なんで、

当月発売以外の作品も載せてたりします。

 

10月に読了したライトノベル

角川スニーカー文庫

ミリオン・クラウン 1

終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか? #05

フリーライフ ~異世界何でも屋奮闘記~2

 

HJ文庫

<Infinite Dendrogram>―インフィニット・デンドログラム― 5. 可能性を繋ぐ者達

 

電撃文庫

新約 とある魔術の禁書目録 (19)

誰でもなれる!ラノベ主人公 ~オマエそれ大阪でも同じこと言えんの?~

 

GA文庫

魔法使いにはさせませんよ!

 

ガガガ文庫

クズと天使の二周目生活

 

富士見ファンタジア文庫

魔王は服の着方がわからない

魔王討伐したあと、目立ちたくないのでギルドマスターになった 2

冴えない彼女の育てかた 13

 

ノベルゼロ

俺が大統領になればこの国、楽勝で栄える アラフォーひきこもりからの大統領戦記

 

メディアワークス文庫

この世界に i をこめて

 

MF文庫J

図書迷宮

ようこそ実力至上主義の教室へ7

なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか? 2

 

MFブックス

無職転生 16 ~異世界行ったら本気だす~

二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む 4 ~欲沈みの商人~

 

オーバーラップ文庫

現実主義勇者の王国再建記 V

 

ダッシュエックス文庫

幻想戦線

タイムシフト 君と見た海、君がいた空

 

ファミ通文庫

佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! 3

 

ヒーロー文庫

傭兵団の料理番4

 

 

以上、23冊。

 

特に面白いと思ったおすすめ作品

ミリオン・クラウン 1

おすすめ度・・・★★★★★★★ 8/10

『ミリオン・クラウン』 感想

 

 

 

 

終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか? #05

おすすめ度・・・★★★★★★★ 8/10

『終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか? #05』  感想

 

 

 

 

<Infinite Dendrogram>―インフィニット・デンドログラム― 5. 可能性を繋ぐ者達

おすすめ度・・・★★★★★★★★☆ 8.5/10

『<Infinit Dendorogram>インフィニット・デンドログラム-5』 感想

 

冴えない彼女の育てかた 13

おすすめ度・・・★★★★★★★★★☆ 8.5/10

『冴えない彼女の育てかた』 13巻 感想

 

この世界に i をこめて

おすすめ度・・・★★★★★★★★★ 9/10

『この世界に i をこめて』  感想

 

 

 

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『図書迷宮』 感想

 

図書迷宮 (MF文庫J)

十字 静 (著), しらび (イラスト)

 

足掻いてください、

あなたが

人間足りうるために。

 

あなたは思い出さなければなりません。心的外傷の奥に潜む父の仇を探し出し、奪われた名誉と失った魔法を取り戻すのです。吸血鬼の真祖(ハイ・デイライトウォーカー)の少女、アルテリアと共に。そのために図書館都市を訪れ、ありとあらゆる本が存在する図書迷宮に足を踏み入れたのですから。あなたには一つの大きな障害があります。あなたの記憶は八時間しか保ちません。ですが、方法はあります。確かにあるのです。

足掻いてください、あなたが人間足りうるために。全ての記憶を取り返すために。

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★★ 7.5/10

 

感想

この作品については各所で「ネタバレを見てしまう前に読め」という言葉を目にしたので、ここ数日はネタバレありの感想ブログを読んでしまわないように最新の注意を払いつつ、ようやく読了。

とりあえず、皆さんの警告に納得のストーリー展開でした。

 

ということで、こちらでも致命的なネタバレはなしでいきたいと思います。多分まだ読んでない人が見ても大丈夫なはず。

 

全てが起承転結における"転"の部分に凝縮された物語

序盤のストーリーとしては、父の仇を探すために幼い頃を過ごした図書館都市に戻ってきた主人公が、そこで吸血鬼の少女と出会う。というボーイミーツガールもの。

とここまでは割とよくある話かなと。設定やストーリーも8時間しか記憶を保持できない主人公の呪いなど、オリジナリティもありつつ基本は王道に沿ってる感じです。

 

ただこの作品の真骨頂は350ページ以降、物語の起承転結で言う所の”転”の部分にこそあると言っても過言ではないでしょう!!

こっから数十ページの間に、ジェットコースターに乗ってるかのごとくストーリーが二転三転していくので、置いていかれないようにご注意を!

 

正直、この次の章がラストバトルなんですが、それも含めてこの章以降は長いエピローグだと思えてしまうほど、この”転”の部分に作品の全てが凝縮されていると感じました。

そしてこの瞬間に至るために、実に350ページ近くもかけてじっくりと伏線が積み重ねられています。

そういう意味では、すごく読み応えのある作品であると言えますね。

 

二人称で語られる独特の文体

もう一つこの作品で驚いたのが、地の文が二人称で語られているところですね。

この作品の一つのカギとなっている本、「千一頁の最後の祈り」が主人公に対して語っているという体裁で書かれているため、そういう文体になっているわけです。

中々に特徴的な文章になっていますが、この作品の世界観・雰囲気にマッチして、いい感じに個性の一つになっているんじゃないかなと。

 

総評

ということでこの作品については多くを語る前に、とりあえず読んでいただくしかないかなと。(えー

そしてできれば、あれこれ裏を深読みせずに、素直に読み進めていただく方が楽しめるかと思います。

 

……ならこんな思わせぶりな感想書くなよと言われたら、ぐぅの音もでないですが。(えー

 

 

 

 

 

 

 

 

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