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<伏線がすごい>この世界がゲームだと俺だけが知っている 感想

 

俺たち猫耳猫プレイヤーは、いつも道のないところに道を作ってきた。
だから今回だって、そうするだけだ

 

迫りくるバグ! 襲いくる理不尽! そして、それを覆す圧倒的台無し策! !

"ぼっち"ゲーマーの相良操麻(ルビ:さがら・そうま)は
ある日、悪名高いバグ多発ゲームの世界に入り込んでしまう。
「理不尽」と「運営の悪意」を具現化したような通称<猫耳猫>の世界で
バグ仕様を逆手にとったソーマの冒険がはじまる!

 

八真八 真の総合評価・・・★★★★★★★★★ 9/10

 

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感想

上のあらすじだけだと、「あぁ、主人公がゲームの世界に転移してゲーム時代のLvとステータスで無双するというお話ですね、分かります。」と思うことでしょう。
だが、作品はたった一つの他に類を見ない設定によって、小説家になろうの中でも超異端作品に仕上がっているのです。
無職転生を異世界ものの王道とするなら、この小説はまさに邪道の極致と言えるでしょう。

で、その設定というのが・・・猫耳猫というゲームがバグ満載という伝説のクソゲーであるいうことなんですね。
そのバグを逆手にとって裏技、抜け道、奇策を駆使して活躍?していくという所がこの小説の最大の見所となっています。

 

ストーリー・・・A-

コメディ要素が強い作品なので、感動するようなシーンとかは期待しないでください。
つーかこの作品で感動するような雰囲気を匂わせてきたら・・・それは100%罠です(えー
でもそれを補って余りあるほどにオリジナリティと構成が素晴らしいです。
この小説の肝は間違いなく、猫耳猫スタッフの悪意に満ちた鬼畜設定と理不尽なバグによるクソゲー具合だと思うんですけど、
もうね、「よくこんなバグ思いつくなっ!」って感じで思わず著者を尊敬してしまうほどオリジナリティにあふれています。

ちなみに何個かこのゲームのクソゲー具合を例に挙げると

 

・ゲーム初っ端のイベントがプレイヤーの9割以上が一度は死亡している初見殺しの罠。

・水の中に入っていると、HPがどんどん減る →普通にお風呂で溺死する。

・放置すると繁殖しまくって世界を滅亡させるスライムがいる(モブモンスターです)。

・序盤でレベル上げとかやってると、さっさと攻略しろよとばかりにNPCにMPKされる。

などなど・・・

 

スキル関係のバグでも

エフェクト的には5メートルくらいの範囲を攻撃しているように見えるのに、実際の攻撃判定は2メートルもないというがっかり技『虚ろなるワイドスラッシュ』。

・スキルの攻撃判定のある場所と自キャラの当たり判定がある場所がなぜか重なって、使った瞬間高確率で死んでしまうという『一撃自殺ブラッディスタッブ』。

・数値入力のミスか、ダメージ倍率がマイナスになっていて攻撃すると相手を回復してしまうスキル『活人剣アサシンレイジ』。

などなど・・・

 

いや、マジで鬼畜だわ。イベントもわざとバグ作ったんじゃねえかってくらい開発スタッフの悪意に満ちてます。まるで本当にこのゲームをやっているかのごとく、読めば読むほど猫耳猫スタッフへのヘイトが溜まっていくでしょう。その辺の文章力もさすがですね。

ただその分、そんなバグやら設定やらを逆手にとって無理・無茶・無謀をやり通す時の痛快さはハンパないです!

読めば読むほどこのゲームの理不尽さに震え上がり、それと比例して猫耳猫プレイヤーへの尊敬の念を禁じえません。

 

「猫耳猫プレイヤーの途方もない時間と労力を懸けた行動ッ!僕は敬意を表するッ!」

(C)荒木飛呂彦 / 集英社

 

キャラ・・・A-

【主人公】 ソーマ・サガラ
ゲーマー時代は廃人猫耳猫プレイヤー、
猫耳猫の世界では無自覚に敵も味方も全てを引っ掻き回す変人奇剣使い
こいつについての感想はただ一つ、
「この主人公の場合に限って 常に最悪の解決方法を想定しろ 奴は必ずその少し斜め上を行く」

(C)冨樫義博 / 集英社

 

特に生贄の迷宮あたりから斜め上具合が加速度的に増していきます。

終盤あたりとか、マジで攻略前のこいつの説明は信用できねぇ・・・

この小説を読み終わる頃には、あなたは重度の『ソーマ不振』となっていることでしょう。

それにしても序盤はぶっ飛んだNPC達に振り回される比較的常識人だったのに、いつの間にか敵も見方も、読者ですらも振り回す変人ポジションに・・・

一個だけ不満なのは書籍版のソーマのイラストがちょっとギャグっぽい感じなので、もっとかっこいい見た目にしてほしかったなぁ~と思います。

なにしろなろうで読んでる時は『SAO』のキリトみたいなイメージで読んでたんで。
ミツキはあんなにかわいく描いてるのに!(えー

 

【ヒロイン】 ミツキ・ヒサメ、リンゴetc...
ハーレムと言っていいのかは不明ですが、複数のヒロインが登場します。
ただちょっと多すぎかなとも思いましたね。
初期から登場してるヒロイン3人くらいにしぼって、もっとサブキャラとか男キャラにもスポット当ててほしかった。

ライデンとか勇者とかほぼ1発ネタじゃねーか!
何しろメインキャラはほぼ主人公とヒロインのみで、後の登場人物はほぼ全員MOBキャラですから。

あとヒロイン全員も、出会った当初は主人公を振りまわす側だったはずが、
ソーマの非常識さが増すにつれ、ほぼ全員がいつの間にかツッコミ役にまわるという・・・

 

【その他】
主人公とヒロインを除く唯一のレギュラーメンバーである『くま』の存在感がやばい!
この小説はくまのためにあるんじゃないかと思えるくらいに、いい所を根こそぎ持っていくナイスガイです。
いや性別不明なんでガイではなく謎生物・・・つーか生き物かどうかも怪しい謎の存在ですね。
とにかく謎の存在の存在感がやばいと言っておきます。
あとはほとんどモブキャラばっかりですね。
あっ、準レギュのポイズンたんの毒舌無双は必見です。
その毒舌っぷりは猫耳猫内のNPC中最高レベルの勇者すら毒牙にかけるほど。

「もうやめて!とっくに勇者のMP(メンタル)はゼロよっ!!」

 

伏線~どんでん返し・・・S

とにかく伏線の張り方と回収の手並みが神懸かっています。

この作品の肝が猫耳猫の鬼畜設定と理不尽なバグなのは間違いないですが、

最大の見所は巧妙に張り巡らされたこの伏線の扱い方だと思ってください。

どうでもよさそうなギャグや設定、何気ない行動や風景が後々大きな意味を持ってきて本気で驚愕させられます。
「ここでその設定が生きてくるんかっ!?」「あの時の行動にはそんな意味がっ!?」「くそっやられた」

って感じで何度主人公に振り回されたことか

(C)大場つぐみ・小畑健/ 集英社

 

マジで主人公だけじゃなくて地の文も含めて、攻略方法の説明は一切信用できねぇよ!

いや、ウソをつかれてるわけじゃないんですけど、巧妙な言い回しで見事にミスディレクションさせるように罠がしかけられてたり、核心の部分だけ見事に隠蔽されていたり、ぶっちゃけ「猫耳猫スタッフより悪意があるんじゃねーの?」
と、著者の人格を疑うレベルです(えー

ただ、その分だけ伏線の回収~大どんでん返しに持っていった時のカルタシスはヤバい!!

 

笑って、驚いて、もっぺん笑って痛快な気分を味わうには最高の作品ですね。

そして道なき道を突き進む猫耳猫プレイヤーの気高さと執念とアホさに驚愕して、尊敬して、ドン引きして下さい(えー

 

最後に『このゲームと全ての猫耳猫プレイヤーに幸あれ』

 

 

<個人的名言・名シーン>

『猫耳猫wiki』のFAQの一つ目には、ただ、こうある。

Q:○○なんですけどバグですか?
A:バグです。

あまりに潔いそのたった四文字の返答が、つまりは『New CommunicateOnline』というゲームの全てなのである。

(猫耳猫の説明シーン)

 

「俺たち猫耳猫プレイヤーは、いつも道のないところに道を作ってきた。
だから今回だって、そうするだけだ」

(ソーマ・サガラ)

 

実際、「天空都市で誰かを倒す」と言ったら、猫耳猫プレイヤー百人中百人が「あ、落下死ですね分かります」と答えるだろう。
いや、むしろ天空都市まで行ったのにそこからモンスターを落とさないなんて、それは逆に天空都市先輩に失礼だとすら言える。

(ソーマ・サガラ)

 



 

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