『白翼のポラリス』 おすすめライトノベル(ラノベ) 感想

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『白翼のポラリス』 感想

 

 

これは僕がまだ父さんの「白翼」を継いで間もなかった頃、大袈裟かもしれないけど、星と星がぶつかるくらいの巡り合わせで出会った相棒と空を駆け、これまた大袈裟に言えば、僕らの暮らす小さな世界を守った時の話だ。

 

どこまでも続く空と海。はるか昔に陸地のほとんどを失った蒼き世界、ノア。人々は、いくつかの巨大な船に都市国家を作り、わずかな資源を争って暮らしていた。飛行機乗りの少年・シエルは、そんな“船国”を行き来し、荷物を運ぶ“スワロー”。愛機は父の遺した白い水上機“ポラリス”。空を飛ぶことにしか生きる意味を見出だせず、他人との関わりに息苦しさを感じていた彼は、無人島に流れ着いた少女・ステラを助ける。素性も目的も、何も語らない彼女の依頼で、シエルはステラを乗せて飛び立つことに。その先には、世界の危機と巨大な陰謀が待ち受けていた――。紺碧を裂いて白翼が駆ける。あの空みたいに美しい、戦闘機ファンタジー。

 

管理人のおすすめ度・・・★★★★★★★★ 8/10

 

感想

発売してすぐ読み終わってたんですけど、ずっと感想書かずに放置してしまってた作品その1です。

いや、放置してた理由については完全に八真八 真のせいです。(えー

つっても文才無いんでちょっとした感想書くのでも、多大な時間がかかるからラノベの新作読むのを優先してただけですが・・・(えー

というわけで第6回講談社ラノベ文庫新人賞「佳作」受賞作、『白翼のポラリス』の感想です

 

空と海、"青"い世界で紡がれる『飛行機ファンタジー』

作品紹介では戦闘機ファンタジーと書いてありますが、個人的なイメージとしては飛行機ファンタジーといった方がしっくりきますね。

主人公は軍人じゃなくて運び屋ですし。

 

ざくっと作品の世界観について説明すると・・・

物語の舞台は、陸地のほとんどが水の底に沈み、空と海しかないノアという世界。

その世界では、人々は海流に乗って移動する実行の浮島である船国で暮らしています。

この船国がそれぞれ独立した国になっているのですが、

土壌がそんなにあるわけでもなく、各国は少ない資源を取り合っているという事もあり、

それぞれの国の浮島がどのように周回しているのかを記録したストリームチャートを極秘扱いしているという設定になっています。浮島の位置が分かってしまったら資源を強奪するような戦いが起きてしまうということからも、ストリームチャームの重要性がわかるかと思います。

そんな国家間のストリームチャートを預かり、勇逸、古代の技術で製造された戦闘機で行き来ができる運び屋をスワローというのですが、主人公のシエルは伝説的なスワローだった父親から白翼という名を受け継ぎ、スワローとして生活しているってのがこの物語の冒頭になります。

 

ちょっと不思議な世界観ですが、よく練られているなぁという印象。

飛行機乗りの運び屋って設定自体はちょいちょい聞きますが、ほぼ海と船国で成り立っている「ノア」という世界との組み合わせは面白いなと思いました。それによってよりいっそう飛行気乗りの重要性が際立っているように感じましたね。

あと冒頭の世界観の説明部分が長すぎず、かつ分かりやすくてすんなり物語に没入することができました。

新人の作家さんなのにその辺のバランスは上手いなと思いました。

 

懐かしさすら感じる超王道のボーイミーツガール

この作品は徹頭徹尾主人公のシエルとヒロインのステラの出会いを描いた物語です。

極論ですが、ノアという世界もスワローという職業も、その他の設定も、この二人の出会いを彩るためのパーツとして

考えられたんじゃないかなってくらい、作者の方の「ボーイミーツガール」を描きたいんだ!っていう思いを感じました。

そんな二人の物語については、最初っから最後まで王道ど真ん中で展開していきます。

とある島で休暇中のシエルが、その島に流れ着いた謎の少女ステラを助けるところから二人の物語ははじまるわけですが、

まずこの最初の出会いからしてベタですよね。でも個人的にはボーイミーツガールものってこれっくらいベタな方が好きです。

むしろ最近はひねくれた展開がテンプレっぽい感じになっているので、ここまで直球な物語はどこか懐かしくも新鮮な感じがしますね。

 

その後シエルがスワローだと知ったステラは、自分をバトーという船国まで連れて行ってほしいという仕事の依頼をすることになります。

結局シエルは断り切れずに仕事の依頼を受けることになり、二人でバトーを目指すことになります。

 

どこか幻想的な雰囲気を感じる作品の空気感

この作品の中でも特に好きなのが、二人でバトーを目指すまでの道中の描写というか空気感です。

特にそこまで大きな出来事が起こるわけではなく(謎の敵機と遭遇するまでは)

比較的淡々とすすむわけですが、その間の二人の会話ややりとりに読んでいて不思議なノスタルジーを感じるんですよね。

上手く伝えられないんですが映画の『スタンドバイミー』を見た時やサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』を読んだ時の何とも言えない感情に近いものを感じました。

カバーイラストから感じる雰囲気を一番描写しているのが、このバトーを目指している間の二人じゃないかなと思います

 

 

物語は静から動へ、臨場感あふれる飛行戦闘

この作品は起承転結という物語の基本に結構忠実な構成で描かれているのですが、冒頭~シエルとステラの出会い、バトーを目指している道中は比較的緩やかに物語は進んでいきます。

それが、バトーへの道中謎の敵機との空戦から紆余曲折を得てバトーに到着した辺り、物語でいうとまさに"転"の部分から一気に物語は加速して動き出します

特に謎の敵機シリウスとの再戦シーン、シャンデルにインメルマンターン、作者飛行戦闘好き過ぎだろってくらいの迫力ある戦闘からシエルの魂の叫び、内面描写までとにかく熱い!

この戦闘が間違いなく作品全体の山場であると言えます。

ただそこからエンディングまでの展開がちょっと強引だったかなという気がしました。バトーへの着水、国王との話し合い、バトー・ヴェセルの空戦への介入に関しては、正直ちょっと説得力が弱いというか「えっこんなりすんなりいくの?」という印象もありました。シリウス機との空中戦がクライマックスでその後は長いエピローグのようなものとの見方もできますが、ここでもう一つ山場があると、なお素晴らしかったという想いがあるだけに、少しだけ惜しいと感じました。

 

全体を通して・・・

王道で素直な物語なのと、作品全体を包みこむ空気感が澄んでいるので、読後感は非常に清清しいです

主人公とヒロインもとてもまっすぐなキャラで、時に青くさくも感じますが、それもまたこの作品の味なのかなとも感じています。この青くささがファンタジーでありながら青春物語としての側面を感じさせてくれているのかなと。

実際物語の冒頭は三年後の主人公が、自身の青春を回顧するような語りで始まってますし。

ラブコメとはまた違った癒しを感じたい人、ひねくれてない優しい物語を読みたい人は一度読んでみていただきたいなと思います。

あとカバーイラストが気に入った人は、ストーリーもカバーイラストのイメージまんまな雰囲気なので、迷わず手にとってみていただきたいですね。

 

 

<個人的名言・名シーン>

僕だって、お前がいなくなってからコイツと空を飛んできた!お前の知らない空を見てきた!お前の知らない人と出会ってきた!お前の知らない時間を生きてきた!

お前の名前は知らない!聞く気もない!

でも、僕の名前は覚えていけ!

(シエル・ミグラテル)

 

 

 

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