『ビューティフル・ソウル』 おすすめライトノベル(ラノベ) 感想

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『ビューティフル・ソウル ――終わる世界に響く唄―― 』 感想

 

ビューティフル・ソウル ――終わる世界に響く唄―― (講談社ラノベ文庫)
坂上 秋成 (著), ニリツ (イラスト)

 

「この終わった世界で出会ってくれてありがとう」

 

これは、こんなにも優しくない世界に残された、誇りと希望の物語

 

――世界は終わってしまった。
容赦なく終わってしまった。
完璧に完全に徹頭徹尾終わってしまった。
不自然に不可避に不可逆に終わってしまった。
絶対に圧倒的にどうしようもなく終わってしまった。
世界を世界と呼ぶ必要がなくなるほどに、終わってしまった。
――それでも僕らはこの場所で、何かを信じてもがいてる。
――惨めで弱くて矮小な、どこにでもいる《人間》 として。

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★☆ 7.5/10

 

感想

お盆休み前の忙殺スケジュールを乗り越えて、ようやく感想書く時間作れました。。。

 

というわけで今回の感想は、坂上 秋成先生の『ビューティフル・ソウル ――終わる世界に響く唄――』です。

ちなみにあらすじの前に書いたセリフと文章は帯の内容まんまです。あまりにかっこいい言葉だったので、そのまま引用しました。。。

 

物語を簡単に説明すると、 WEAKSという怪物の出現により終わってしまった世界を舞台に、《革命式》という異能を武器に人類の存亡を懸けて怪物達と戦う主人公達を描いた物語。

設定としては、完全な異能バトルものですね。

ただ、この作品、まず第一に言いたいのは、とにかく言葉のセンスが圧倒的に素晴らしい!!

 

名言あふれる文章・言葉のセンス

この作品で何より言いたいのはこれです!!

上のあらすじしかり、作中でもけっこう独特の言い回しや文章を使ってるんですけど、それがまさに世界の終末といった雰囲気の世界観とあいまって、やたらとかっこいい&心に突き刺さってきます!

その部分に関して、ちょっと奈須きのこ先生の文章っぽいなとも思ったりしました。

細かい部分では粗削りな所もあるんですが、それとは関係なく、ここぞという場面で入る主人公の独白めいた文章に、やたらと胸が熱くなります。

 

あと個人的には各章のタイトルがすごくツボでした

なにがどうツボかと言われたら、単純に言い回しがかっこいい!!ってだけなんですが、ホントこのタイトルセンス大好きですね!

1章の「さよなら、ばいばい、またいつか」とかマジ最高。

独特の物語構成

この作品、物語の設定としては割と王道の異能バトルなんですが、1巻における物語の構成が結構独特というか、かなり変わってます。この部分でけっこう評価が分かれる気がしますね。

僕個人としては終盤の構成はもう少しかなと言いたいですが、序盤の展開は絶賛したい!!といった感想です。

この作品の1章ってヒロインのランジェという少女に出会うまでが描かれている、いわばプロローグ的な内容なんですが、この間作品の世界観や設定に関する説明が全くないんですよね。ここですごいなと思ったのは敢えて読者に与える情報をしぼったことで、この章終盤の展開に対する臨場感とドキドキが大幅にアップしてるってことです!

あえて1章序盤は主人公の日常描写がメインとなっていて、ところどころにWEAKSという怪物の存在を描写して、非日常性も匂わせてはいるんですが、終わった世界というより、現代異能バトルによくある日常と非日常が混在する世界なのかなといった雰囲気を感じさせます。ただ、これがまたミスディレクションみたいになっていておもしろいです。

実は主人公の生きている世界というのは、現代異能バトルものの世界というよりは、近未来もののいわゆるディスとピアもの的な世界感だということに、1章中盤で一気に展開が動いて初めて気づかされます。この読者に与える印象の変化がおもしろくて、あえて読者に与える情報を制限する今回の手法にはやられたなと思いました。

もう一つ独特な構成だなと思ったのは、普通なら1巻ラストに持ってくるような、圧倒的な敵との戦いを中盤に持ってきてる点です。

四閻獣という、WEAKSの中でも特別な存在との戦いなんですが、この戦いの中でヒロインを覚醒させるための主人公の力と役割が明かされ、覚醒したヒロインんの力で敵を打つという、超燃える展開なんですが、これ完全に終盤の山場の展開なんですよね。それを敢えて中盤に持ってくる構成も他にはない展開で面白いなとは思ったんですが、その後の展開~ラストの戦いが消化不良気味というか、明らかに2巻以降に繋げるための終わり方だった分、読後感が若干モヤモヤした感じになっちゃったのはちょっと残念だなと思いました。四閻獣との戦いがめちゃくちゃ滾る展開だったので、なおさらもったいないなと。物語のテンポが凄く良く、ストーリー展開にスピード感があるのもこの作品の魅力だと思いますが、個人的には人類同士の争いは次巻以降にして、この巻はWEAKSとの戦いに終始しても十分おもしろいストーリーになったんじゃないかなとも思います。

ただそれを差し引いても、戦闘のシーンでこっちのツボをついてくるような展開と、胸を熱くさせる主人公の心情描写が素晴らしくかっこいいです!!

 

あと余談ですがこの作品、公式ページのデザインとMVがバリかっけぇっス!!

MVはどことなく昔のPCゲームのOPを連想させますね。

『ビューティフル・ソウル ――終わる世界に響く唄――』公式ページ

 

 

 

 

個人的名言・名シーン

「絶望しか無くても、夢が無くても理想が無くても、ただ、生き延びて。」

by 京香

 

……それでも。それを全部踏まえても、ひとつだけ、納得できないことがあった。どうしても、許せないことがあった。

「俺は、この人の名前も知らなかったんだよ」

by 蔵名

 

ただひたすらに、意地と見栄と――それから、まあ、人間が人間として生きてく姿ってやつを見せつけるために、最後までこの世界に抗うだけだ。

by 蔵名

 

「覚悟しろよ怪物。今度の一撃は、あんたよりもよっぽど怪しい威力だぜ」

by ランジェ

 

ああ、そうか。

おれはずっと、自分の世界を邪魔する奴らを――殺したかったんだ。

ずっと欲望を抱え込みながら、見ないふりをしてへらへらと過ごしてきたんだ。

なんて、いびつ。

by 蔵名

 

認めよう。自分の中にある、冷たい世界を。

認めよう。逃れることのできない、己自身の醜さを。

by 蔵名

 

 

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