『キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った (ファミ通文庫) 』比嘉智康 おすすめライトノベル(ラノベ) 感想

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『キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った 』 感想

 

キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った (ファミ通文庫) 

比嘉智康 (著), はっとり みつる (イラスト)

 

とにかくあのときの僕は、床で輝く四分音符に心を惹かれていた。あれが欲しい!絶対欲しい!って。

 

ストーリー、キャラ、文章と全てが高次元の感動物語

 

彼女の想いを知った後、きっともう一度読み返したくなる――

「また多重人格ごっこして、くれないかな?」高校で再会を果たした一色華の実は、囚慈(僕)、θ郎、キイロの三人がかりで生きているチーム市川櫻介にそう告げた。そして、華の実は昔考えたみんなの夢を叶えていきたいと言う。僕達以外の誰かに、囚慈として扱われる不思議な感覚の中で、僕は自然と華の実を好きになっていった。でも、知らなかったんだ。君がどんな思いで、その提案をしていたかなんて……。不器用な二人の、純度100%の恋愛ストーリー。

 

八真八 真のおすすめ度・・・★★★★★★★★★ 9/10

 

 

感想

やられたわ、完全にやられたわ!!

あらすじにちょっと魅かれたので、何気なく読み始めた『キミは一人じゃないじゃん、と僕の中の一人が言った』でしたが、これヤバイっす!!

まず文章がめちゃくちゃ好き!!またキャラもチーム市川櫻介の3人を筆頭にすごくいい味出してて面白い!!そしてストーリーも最高!!

もはや良さしかない!!!

読み終わって真っ先にそう感じるほど素晴らしい作品でした。

 

心地よい文章と巧みな伏線、美しく収束していく物語

作品の大まかなストーリーとしては、語り部である主人公の囚慈と、彼と同じ身体に宿る別人格のθ郎とキイロ、彼らは三人でで一人の市川櫻介という人間として生きており、彼が10歳の頃、そんな彼らに多重人格ごっこという遊びを持ちかけたのが市川櫻介に憧れるヒロインの一色華の実になります。主人公とヒロインはその遊びに没頭して楽しい日々を過ごしますが、一色華の実の転校を機に離れ離れになります。その後、高校生になった二人?は5年ぶりに再会し、主人公は再度華の実から多重人格ごっこを持ち掛けられます。その多重人格ごっこを通じて、チーム市川櫻介の3人と一色華の実の持つそれぞれの人格の夢を叶えるために行動します。その中で二人の距離も縮まっていき……といった感じの純愛物語です。

もちろんあらすじから感じる通り、単なる恋愛ものというわけではないのですが……。

 

この作品、まず文章が素晴らしい!!というか僕の好みど真ん中の文体です!

けっこう独特の文体なんですが、主人公の一人称で進む地の文のリズムがすごく良くて、読んでいてすごく心地よく、ぐいぐい物語に引っ張ってきます。

最初は少しづつ読んでいこうと思ったのに、気付いたら一気に最後まで読み込んでしましました。

 

また序盤での伏線の張り方も見事!!

主人公が語るさりげないエピソードが、これまたさりげなく終盤で主人公の行動を後押ししたり、主人公が行動したり気づいたりするふとしたきっかけなったりします。

こういう細かな伏線の使い方はたまらないですね!

正直、物語の核である再会したヒロインの華の実が抱える秘密については、あからさまに匂わせる感じだったのですぐに予想がついたのですが(ここの部分はもう少し上手く隠してほしいとも思いましたが)、むしろその予想された核心、クライマックスに向けて思い出を重ねていく主人公とヒロイン、結末に向けて収束していく物語の描き方は脱帽するほど美しかったです

 

思わず笑いがこぼれるチーム市川櫻介の掛け合い

感動的なストーリーと共にもう一つこの作品の魅力なのが、チーム市川櫻介を形成する3人、囚慈とθ郎とキイロの関係性と3人の掛け合いです

そもそもこの作品の核である主人公の多重人格の設定がちょっと変わってて面白んですよね。

まずチーム市川櫻介を構成する人格には主人格がいない、というか市川櫻介という人間に宿る人格なのに、そもそも市川櫻介という人格が最初からいないという設定がそもそも面白い。それはともかく、そういうわけで3人は友達のような関係と言えると思います。

また、3人のうち一人が表に出ている時、その他の人格もTVを見ているように(作中ではステージとスタンドという表現をしてます)その状況を眺めることができ、普通に3人で会話もできる(もちろん心の中でですが)。だから3人が心の中で掛け合いをしたりということできるのですが、この掛け合い、主にぶっ飛んだ意見や行動をとるθ郎とキイロに比較的常識人の囚慈がツッコミを入れるというのが主な流れになっています。

このやりとり、二人の暴走とそれに対する囚慈のちょいシニカルで冷静で淡々としたツッコミ(主に地の文でツッコんでいるんで2人は理解してないですが)が妙に面白い

ギャグとかコメディの面白さとはまた違う、思わず読んでてクスッと笑いがもれてしまうようなちょっとした面白さなんですが、それもまたなんとも心地よくて作品の雰囲気を壊すことなく笑いを提供してくれています。

この辺りの表現は本当に上手くてバランスも良くて見事という他ないと言った感じですね

 

 

色々書きましたが、正直どれだけ説明しても上手くこの作品のすばらしさを説明しきれてる自身がないです(えー

感想サイトの管理人としてどうなんだという気もしないでもないですが、というかそこは頑張れよ俺!と思わないでもないですが……

理屈でなく感覚で心に響く物語。それほどの魅力がこの作品にはあるということでご容赦を

 

ようはとにかく一度読んでみてくれということです。

そして頭でなく心で感じろ!!(えー

……すいません。でもほんと凄い作品なんで、本当にぜひ読んでほしいです。

 

 

個人的名言・名シーン

よし、今はまさにタイムリーの神様がみまもってくれているんだ!と、なんだか背中を押されたような心地には――特にならなかったが小学校以来の再会を果たした女の子からの謎のお誘いというのは……単純に気になるね!

by 囚慈

 

あ、これ、タイムリーの神様だ。

――タイムリーなことが偶然起こったときは、神様が見守ってくれているから。安心して、心のの赴くままに行け――

親愛なる元・四半世紀に一人の記載たる父の小説に、なんだか初めて背中を押された気分になるチーム市川櫻介――

by 囚慈

 

とにかくあのときの僕は、床で輝く四分音符に心を惹かれていた。あれが欲しい!絶対欲しい!って。

by 囚慈

 

ボクもそれにθんも思うのですよ。高校で再会して、シュウちんとカップルになった彼女はどっから見てもいつ見ても、生まれてきてよかったー的なハッピーな空気を出しまくってたって……そう思うのですよ。ニシシシ

byキイロ

 

もし会えたなら、言いたい。

皆のタイムカプセルの夢、一人だけまだかなってない奴がいる、と。

『永遠に聴き飽きない歌はないんだ、という悲しい現実を受け入れたい』

なあ、僕はびっくりしてるんだ。だって永遠に聞き飽きない歌に出会えてしまえるなんてさ。

by 囚慈

 

 

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